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E058 智に働けば角が立つ 1

 「智に働けば角が立つ」  智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。   ちにはたらけばかどがたつ。じょうにさおさせばながされる。いじをとおせばきゅうくつだ。とかくにひとのよはすみにくい。  住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。  人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越(こ)す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。  越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て(くつろげて)、束の間(つかのま)の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。    『草枕』の冒頭 夏目漱石  1906年発表というから、2016-1906=110年。一世紀以上前。  古い話だが、なにやらひとごとじゃない。ただごとでもない・・・。  しょっぱなのしょっぱな、「智に働けば角が立つ」が意味するものは??  そして、それに続く二つのフレーズ??  ・・・『猫』の余波??  漱石は、はたしてなにを感じたのか・・・??     「芸術論」の背後。 突如、らしくもないジャンルに迷い込む・・・