第162国会 予算委員会 第5号
衆議院
平成十七年二月三日(木曜日)
午前九時開議
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○志位委員 私は、小泉内閣が今進めようとしている増税路線について質問をいたします。
昨年末、政府の予算案が発表されたときに、メディアは一斉に、本格増税路線に踏み出したと報じました。総理はこれまでも、痛みに耐えよと社会保障の切り捨てを進めてこられましたけれども、今度の政府予算案というのは、それに加えて税制でも本格的な庶民増税に踏み出すものになっていることが最大の特徴であると私は思います。
今度の予算案には定率減税の半減が盛り込まれました。二〇〇五年度と二〇〇六年度の二年間で定率減税の縮小、廃止を行って三・三兆円の増税を実施し、続けて、二〇〇七年度には消費税の増税を実施に移す、これは与党税制大綱に明記された二段階の増税シナリオですけれども、政府の予算案はこのシナリオに基づいて庶民増税の第一歩に踏み出すものとなっている、これは明瞭であります。
こうしたもとで、政府・与党の一部や経済界の中からも、これでは橋本失政の二の舞になるのではないかという声が起こってまいります。一九九七年に橋本内閣が、九兆円の負担増、消費税の値上げ、特別減税の打ち切り、そして医療費の値上げ、これを行ったことが大不況の引き金を引いた大失政となった、その二の舞になるのではないかという危惧の声であります。
そこで、私は、まず総理の事実認識をただしたいと思います。
これは、この十年間の家計所得の推移を政府の国民経済計算からグラフにしたものであります。大体九三年から九七年ぐらいまでの時期は、年間で数兆円の規模で家計の所得が伸びております。しかし、九兆円負担増をきっかけにして、その後をずっと見ますと、年間数兆円の規模で今度は家計の所得が減っております。これは明瞭な数字として出てまいります。
そこで総理に伺いたいんですが、こういう規模で家計の所得が減り続けているもとで増税路線に踏み出したということが戦後かつて一度でもあったでしょうか。これは戦後初めてのことじゃないでしょうか。事実認識の問題として伺いたいと思います。端的にお答えください。総理、どうぞ。
○小泉内閣総理大臣 経済指標等につきましては後ほど担当大臣から答弁いたさせますが、定率減税にしても、三兆三千億円の増税と言われましたけれども、これはやはり、現在の景気情勢を考えて、来年一月から千八百億円の増税なんですよ。三兆三千億円は、地方税とあわせて全部これをなくしちゃうとそうなる。
だから、景気に配慮しているんです。定率減税の面においても一月から、地方税においては六月からということでありまして、二分の一ですから、三兆三千億どうか、やるかというのはこれから、そういう状況になるかというのはことしの秋以降よく状況を見なければいけない。経済全体、財政全体を見ていかなきゃならない。だから、三兆三千億円今年度増税するんだという、そういう誤解はしないでください。
それと、雇用者所得も、確かに今、表にあるように、九七年は二百八十兆円、そして二百六十五兆円まで減っていると言いますけれども、九七年の物価上昇率はかなり高かったですよ。今、デフレですから、物価上昇率もマイナスです。
そういう点も考えて、確かに景気は厳しい状況でありますけれども、できるだけ景気に配慮しながら、財政状況の健全化というものを考えていかなきゃならない難しい局面に来ているということも御理解いただければと思うんです。
○志位委員 私は、来年度三・三兆円の増税を実施すると聞いたわけじゃないんですね。確かに、来年度は定率減税の半減で、きいてくるのは千八百五十億円の増税だというのは私も存じております。しかし、二年間で廃止するというのは与党の大方針でしょう。だから、じわじわ廃止するとしたとして、あるいは一気に廃止するとしても、三・三兆円の増税路線に踏み出したことは間違いがないんです。これが一点。
それから、もう一点ですが、このグラフについて、これは確かに名目の数字ですが、では、実質の数字はどうなんだということをおっしゃられたんだと思いますが、実質で見ても、実は九七年と二〇〇三年で七兆円減っております。名目でも実質でも雇用者報酬は減っている。
総理の答弁の中で、結局、私が聞いたのは、こうやって家計の所得がどんどん減っているときに増税路線に踏み出したというのは、これは戦後初めてのことだ、これは否定されなかったわけです。そこで、私、初めてのことをやるんですから、これが景気と経済にどういう影響を及ぼすかについて真剣な吟味が次に必要になってくると思います。この議論を次に進めたいと思うんです。
私は、日本経済を本格的な回復の軌道に乗せるには、経済の六割弱を占めるのは個人消費、家計消費ですから、この消費が力強く持続的な回復の軌道に乗って初めて景気の回復が本物になる、これは総理も同じ認識だと思います。今、首を振っておられますから、それは同じだと思います。問題は、その家計消費を持続的な回復の軌道に乗せるために今何が必要かという問題だと私は考えております。
その点で、私、内閣府が昨年十二月に発表した「日本経済二〇〇四 持続的成長の可能性とリスク」というレポート、これを大変興味深く読んだんですよ。なかなか情勢分析は正確なことが書いてあります。例えば、ここで繰り返し強調されているのは、今後消費が持続的に回復していくためには所得の回復がかぎである、これは繰り返し述べられています。
この中で述べられていることは、これまでは所得がふえないもとでも消費は底がたく推移してきた、これまではそういうふうに推移してきた、しかし、それは国民が貯蓄を減らして消費を維持してきたことによるものであって、これはなかなか長続きするものじゃない、今後消費を持続的に回復させていくためには、所得そのものを、所得の本体そのものをふやすということがどうしても必要だ、これがかぎだということを、この「日本経済二〇〇四」にはっきり書いてあるわけですが、私は、この診断は正確な診断だと思います。
しかし、総理がやろうとしていることは、その診断に対する処方せんは、増税路線に踏み出して、そして家計の所得を奪うというものでしょう。所得の回復がかぎだという診断、これは正しい診断ですよ。家計の消費のためには所得の回復がかぎだという正確な診断をしているんですけれども、出している処方せんは、所得を大幅に奪う増税路線への踏み出し。これは、私は、診断と処方せんを百八十度たがえている、風邪と診断しておいて布団をはぐようなものだ、こう思いますが、総理、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 これは、見方が全く違うんですよ。
というのは、確かに家計所得が景気に与える影響は大きいですよ。しかしながら、歳出の削減も、そして増税も、確かに景気に対してはマイナスの影響を与えます。かといって、じゃ、国債を増発すればどうかというと、これまた将来の増税です。今は、それじゃ、増税しないで国債を発行しよう、増発しようということになれば、今は楽かもしれない。今も国債費だけでも最も税金を使っているのに、これ以上国債を増発するということに対しては、極めて抑制的に考えなきゃならない状況であります。
だからこそ、国債の発行と、そして歳出の削減と税収動向、どう考えるか。これは極めて微妙な段階に来ているんです。だから、全体を見ないと。そういう中で、ようやく国債を増発して公共投資をふやさないでも民間主導の回復力を持ってきたなという、大事な局面にいるということも、全体の状況から見ていただきたいと思うんです。
○志位委員 民間主導の回復力、これはどこに根拠があるんでしょうか。
総理の本会議の答弁では、企業の利益が随分上がってきた、企業の利益が上がってきたから、これはだんだんと家計の所得にも回ってくるだろうと。ここに、回復力は、あなたは根拠を見ているんでしょうか。端的にお答えください。
○小泉内閣総理大臣 それは、現実の姿を見ても企業の業績は改善しています。不良債権処理も進んでおります。そして失業率も、一時の五・五%から、つい最近は四・四%台に減ってきました。雇用者数も増加しています。そして、有効求人倍率といいますが、企業が人を欲しいという、これは十一年ぶりに高い水準で〇・九台になりました。
こういう状況を見ても、これは民間は頑張っているなということが言えるんじゃないでしょうか。
○志位委員 要するに、企業が利益を上げているから家計の所得がふえる、そこに根拠を見出しておられるわけですね。その力があるから多少負担増があっても景気は大丈夫だろうというのが、総理の御答弁だったと思うんですよ。しかし、私は、この先ほどの「日本経済二〇〇四」を読みまして、そうじゃないという分析もしているんですね。
これは、こういう分析があるんです。企業の利益と給与の関係についての分析ですけれども、この報告書では、一九八〇年代までは企業の利益と給与とは高い相関関係を持っていた。つまり、企業がもうかればある程度家計に行った。しかし、九五年以降は、むしろ逆相関が強まっている。つまり、逆相関というのは、企業の利益が伸びても家計の所得は減る、そういう相関になっちゃっている、これが強まっているという分析を政府の内閣府のレポートは書いているんですね。
私は、このレポートを大変興味深く読みまして、政府の統計で実際グラフをつくってみました。こういうグラフになるんですね。
これは企業利益と家計所得の関係でありますけれども、青い棒は企業の方ですけれども、大体九七、八年から今日まで、ジグザグはありますけれども、二十一兆から三十六兆に十五兆ほど利益をふやしていますでしょう。逆に、赤い棒は家計ですけれども、同じ時期に二百八十兆から二百六十五兆に十五兆所得を減らしているんですよ。こういうのを逆相関というのですね、まさに。これはまさに、企業の利益というものが、賃金を減らして、家計から吸い上げて、リストラによる増益だということを物語っていると私は思います。
つまり、企業が利益を上げて、そのうち家計に及ぶから、景気は回復力を持っているんだ、多少負担かけたって大丈夫なんだとおっしゃいますけれども、成り立たないんですね。成り立たないことは、これはもう国民の皆さんの実感ですよ。企業がもうかったって懐ぐあいはよくならない、みんな実感ですよ。そして、このグラフでも明瞭ですよ、逆相関です。そして、逆相関だというのは、何よりも内閣府のレポート自身に逆相関と書いてある。しかも、強まっていると書いてある。
これからどんどん、行く先でも所得がふえていく見通しのないところに増税かけて、どうして景気がよくなるか。いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 今の表の逆相関でありますけれども、確かに企業の業績がこれだけ上がっているのに雇用者の所得が逆であるということは事実なんですが、今まで日本が、この景気停滞の理由で、余りにも雇用者を多く抱え過ぎていたのではないかということで、企業は随分苦労してきたわけです。これはリストラで被害を受ける面もあるんです、両方。過剰雇用をどう解消していくか。
あるいは、債務の面においても過剰ではないかという企業も多かった。金融機関においても、なかなか回収できない債権、これで足をとられてなかなか成長分野に資源が回らない。それを、労働生産性というのは日本は低い、この状況を脱皮しないと日本は新しい経済再生はない、景気回復はないと言われて、これからの経済再生は不良債権処理はまず不可欠だということで、政府としても進めてきた。企業も頑張ってきたんです。
リストラだって、ゴーンさんじゃないですけれども、かなり日本の経営者にできないような経営改革をやってきたということで評価されていますけれども、あの場合には、大きな企業だったから、リストラになった人たちがほかの中堅企業に回って、余り失業者を出さないで済んだ。
さらに、今ようやく、過剰労働の面においても、過剰債務の面においても、いわゆる企業にとっては足かせの部分が軽くなってきたんですね。これから、雇用者所得にもいい影響を与えるように、そういう状況になってもらいたいなということで、そういう環境を今政府としては、いろいろな制度の改善とか規制改革とか、あるいは税制改革とかしていかなきゃならない。
確かにこういう状況でありますが、余りそれは雇用者所得を上げると企業が海外に逃げちゃうんですよ。今まで何で海外に逃げていたかというと、日本の労働者の賃金が高過ぎて、ほかの発展途上国に行けば安い労働賃金で同じような製品がつくれるということで、どんどん逃げていった。これでは困る。今までも企業の空洞化を心配していたんです。
ところが、ここが日本のすぐれたところで、日本はやはり労働力の質が高いというのがわかってきた。一度、海外、安い賃金のところに企業が行っても、いいものは日本で、つくれないものがあるということで、最近戻ってきているんですよ。そういう点も、やはり新しい時代の変化に企業は巧みに耐え得るように改革してきているんです。そういう点が今雇用の改善にもあらわれてきている。
だんだんこれを雇用の改善から雇用所得の上昇に向けるように努力していかなきゃならないということは、私は十分理解しているつもりでございます。
○志位委員 雇用の改善、失業率が下がったということを言われますけれども、失業率が多少下がっても、正社員の数はどんどん減っていますよ。正社員を減らして、パート、アルバイト、派遣労働に置きかえている。ですから、賃金の総額は減っているんです。厚生労働省が出した最近の、昨年一年間の賃金の統計を見ても、〇・七%やはり賃金の総額は減っているんですよ。
私は、企業が利益が上がったら家計に回る、これが成り立たないじゃないか、これは逆相関だということをレポート自身認めているじゃないかということを言ったのに対して、総理は全然答弁していないですよ。ですから、所得が伸びる見通しもないのに負担増だけかけたら、橋本失政の二の舞になること、これは明瞭です。いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 午前中の御答弁で述べさせていただいたことでもあるのでございますけれども、志位委員の御指摘は基本的には、最近、付加価値の中で労働者の取り分が減っているではないか、資本の取り分がふえているけれども労働者の取り分では減っているではないか、そのことに尽きているのだと思います。しかし、もしそうであるならば、先ほど九三年か九四年からのグラフをお示しになられましたが、それ以前まで含めて、ぜひその分配の割合がどうなっているかということをごらんいただきたいと思います。
日本の労働の賃金の取り分というのは、大体三分の二で長い間ずっと一定してきました。それが、九〇年代これが上がって、四分の三ぐらいまで行きます。十年近くの間で十ポイントも労働分配率が上がった国というのは、世界じゅう、先進国ではないと思います。それだけ実は、日本の経済に大きなショックを受けたときに、九〇年代、労働者の取り分をできるだけ減らさないで、結果的に企業が利益を減らして疲弊したというプロセスがあった。しかし、このままでは国全体が沈むだろうということで、今、少しずつ構造改革をして不良債権も減らして、それで今、この正常化のプロセスにあると思っております。
労働分配率は、一時上がって、それが今半分ぐらいのところまで落としておりますけれども、その中で、先ほど総理の御答弁にもありましたようにようやく過剰感が消えてきて、その結果、今、これも先ほど志位委員がお示しになりました雇用者報酬でございますが、これは二〇〇三年までしか書いておりません、二年前の数字でございますが、これは、私たちの見通し、実績見込み等々では、十六年度からこれが上昇に向かう、そして十七年度もそれが上昇に向かうであろう。これは、名目でもプラスになるであろう、したがって実質はもっとプラスになるわけでございますが、そういう見通しの中で経済をさらにしっかりと運営していきたいというふうに思っているところでございます。
○志位委員 竹中大臣、虚偽の答弁をされたら困りますね。雇用者報酬が今年度から上昇に向かうという根拠をあなたは雇用者報酬の数字で恐らく言ったんだと思うんだけれども、これは去年の四―六月期にちょっとプラスになっただけの話でしょう。その後の七―九はマイナスなんですよ。それから、先ほど言った厚生労働省の二〇〇四年全体の数字もマイナスなんですよ。あなたは、これから所得が上がってくる上がってくる、上がってくるというのは、何の根拠もなく言っているんですよ。私、先ほど、あなた自身の所轄している内閣府のレポートを使って、企業の利益が上がったって所得は上がらないじゃないか、逆相関じゃないか、これを言ったのに対して、だれもまともな答えがない。
もう一つ言いましょう。日本銀行が、調査季報一月号、ことしの一月号で興味深い分析をやっております。この最初の論文で「雇用・所得情勢にみる日本経済の現状」、調査統計局がやっておりますけれども、これを見ますと、「企業収益に比べて雇用者所得の動きは弱く、労働分配率は大幅に低下している。」、低下し続けている、こういうふうに言っております。そして、これは企業の根強い人件費抑制姿勢に基づくものだと。つまりリストラですよ。あなたが主導してやっているリストラですよ。これに基づくものだと言って、これは構造的なもので今後も続くと。「企業の人件費抑制姿勢は当面根強く残る」、今後もリストラは続いて所得は減っていくという見通しを立てているんですよ。将来的に景気が回復して所得が回復する場合でも、いつそうなるのか、どういう規模でなるのかは不確実性があって、予測がつかないというのが日銀の判定なんです。
私、きょう、この議論をしておりまして、ちょうどこの場でやりました、一九九七年に橋本総理とやった九兆円負担増のときの議論を思い出すんですね。あのとき私は、あのときはまだ所得は伸びてはいたんです、しかしこの所得の伸びが弱いから、九兆円も負担をかけたら必ず景気に底が抜ける、こう言いました。しかし、橋本さんは、いやいや、所得の伸びはなかなか力強いから、負担増を吸収して大丈夫だ、こう言ったけれども、結果は大失政になりました。
きょうの議論も、私は、今の状況というのは企業から家計に回るような状況じゃない、家計の所得はどんどん減り続けている、そのときに増税路線に踏み出して大丈夫なのか、これを言ったのに対して、大丈夫だという根拠は何一つないじゃありませんか。私は、これでは大失政の繰り返しになるということを強く警告しなければなりません。
しかも、私、総理に次にもう一つ聞きたいことがあるんですね。
当面の負担増というのは、定率減税の縮減、廃止だけじゃありません。高齢者には年金課税の強化、若者にはフリーター課税の強化、中小業者には消費税の徴税の強化、あらゆる分野で庶民増税が計画されております。さらに、年金の保険料、介護保険の保険料、雇用保険料の値上げ、社会保障もあらゆる分野で負担増であります。これは、合計しますと、二年間で七兆円の国民負担が新たに加わってくることになります。
私、総理に認識として伺いたいのは、庶民の生活実態がどうなるかということについての認識であります。
例えば、政府・与党は、お年寄りの住民税の非課税措置を廃止するとしていますでしょう。三年間で廃止するというんだけれども、これによって、全国で百万人、東京だけで二十万人のお年寄りが、住民税が非課税から課税になります。これは、非課税から課税になりますと、税金だけじゃありませんよ、国民健康保険料、介護保険料、連動して値上げになるんですね。負担増が雪だるま式に膨らんでいくことになります。
これは私、試算してみたんですけれども、国保とか介護の保険料は自治体ごとに違いますから、東京・大田区の場合ですけれども、年金百八十万円のひとり暮らしのお年寄りの負担増がどうなるかです。現在は非課税ですから税がかかっておりませんが、保険料を二つ合わせて大体五万九千円。それが、増税後は税がかかってきます。税だけじゃないんですよ。税がかかると、連動して国保料も上がる、そして介護保険料も上がる。全部連動して雪だるま式に上がるんですね。そうしますと、今大体五万九千円の負担が、十二万四千八百円ぐらいの税と保険料の負担になる。倍以上になるんですよ。
こういう一つの負担増の問題をとってもこういう事態になるということを、総理は、影響は小さい、負担増は大したことないということをおっしゃるけれども、例えばこういう高齢者の負担増一つとっても雪だるま式に膨らんでいくということについて、十分承知の上で、十分認識した上で今方針を進めようとしているのかどうか。これは総理の認識を伺いたいと思います。総理、どうぞ。
○小泉内閣総理大臣 今、答弁する前に、竹中大臣に、あなた、誤りだと言ったでしょう。これに対して、ちょっとやはり答弁する機会を与えてあげないと、それは不公平じゃないですか。
○竹中国務大臣 私の答弁が虚偽だという御表現だったと思いますが、私、先ほど、労働の取り分、労働分配率の話等々、かなりわかりやすく御説明したつもりですが、御理解いただけていないようでございますので、もう一度申し上げますが、労働分配率はもっと長期で見てくださいということでございます。
ここ数年だけとって、それで企業の取り分が大きいと。それは、当然のことながら、それ以前に、ここにつながる動きがあるからでございます。先ほど言いましたように、日本の労働分配率はずっと高くなってきたんです。これを何とかやはり修正せざるを得ない、つらいけれども修正せざるを得ないというプロセスに入って、それが今ようやく半分かそこらぐらいまで進んできたという段階でございます。
今、そういう中で、雇用者の報酬がふえるかどうかでございますが、私たちは経済見通し、経済実績見込み等々で雇用者報酬をきちっと出しておりまして、その中で、これはまだ、労働分配率が上昇して、修正はまだ半分ぐらいしか来ていませんですから、まだこういう調整はやはり時間をかけていかなければいけない。その意味では、そんなに経済の回復は容易ではございません。しかし、容易ではないけれども、ようやくその兆しが出始めたというところで、この動きを大事にしていこう、この長期的な動きを見ていただきたいという点をぜひ御理解賜りたいと思います。
○志位委員 私が虚偽だと言ったのは、雇用者報酬がプラスと言ったことが、これは全く何の根拠もないということですよ。あなたが言ったのは四―六の数字で、その後マイナスになっているじゃないか、あたかも今どんどん伸びているような、そういうことを言うのはおやめなさいということを言ったんですよ。そのことについて何にも答えていない。そして、労働分配率はまだ下げどまりになっていないんだったら、もっと所得だって落ちるということになるじゃありませんか。語るに落ちる答弁ですよ。
総理、総理。もういいです。総理、総理が答えてください。私が聞いたのは、こういう実態についての認識があるかどうかの総理についての答弁を聞いたんです。総理、答えてください。総理、答えてください。だめです。もうこれで時間つぶしたらだめです。総理、答えてください。
○竹中国務大臣 雇用者報酬については、今志位委員は四半期でどうだということを申されましたが、私たちは経済見通し等々の中で十六年度の実績見込みというのを出しております。その中で、さらに経済見通しも出しております。ぜひとも、もしこれに反論がございますのでしたら、共産党としても政府見通しに匹敵するような経済見通しを出していただければよろしいのではないかと思います。
それと、負担増の話でございますけれども、これは、一方で、先ほど総理から御答弁がありましたように、この負担の話をある程度きちんとしていかないと、将来の負担がまた重くなるぞということで期待所得が下がるわけです。それが経済に極めて悪い影響を及ぼすわけでございます。負担をふやすのは、これはみんな大変つらいことでございますけれども、しっかりとそのことを負担していかないと、期待所得が下がって経済に悪い影響が出るということだと思います。
○志位委員 総理の答弁をお願いします。この問題に答えてください。
○小泉内閣総理大臣 それは、税の負担だけで言いますけれども、予算というのは歳出があるんですよ。この予算全体を見れば、今の、来年度の予算におきましても、日本は今まで大分国債を増発してきましたから国債費の利払い費が一番多いんですけれども、一番使っている予算は、地方に行く金を除いて政策費は社会保障ですよ。国民の税金の分や一般歳出の部分に、どの部分に一番使っているというと、年金も医療も介護も生活保護も含めて、一番、日本国民、政府は税金をその部分に使っているんです。だから、負担の部分だけ挙げて、福祉をやっていないという批判は当たらない。
○志位委員 私が聞いたのは、お年寄りの負担増が雪だるま式に膨れ上がっていく、これは非常に深刻な問題ですよ。それで、先ほどの十三万円もの負担というのは、これは一カ月分の年金に匹敵するようなものですよ。こういう問題について知っているのかと聞いたんです。私は、そういう問題について本当に真剣に誠実に答える姿勢がなくて、そういう冷酷な姿勢のまま国民に隅々まで負担増を押しつけるというようなことをやったら、これは絶対景気がよくなる道理がない、橋本失政の二の舞になると思います。
私は、総理が歳出のことも考えてくれというふうに言ったので、では聞きましょう。
来年度の予算案を報じたメディアがもう一つ強調したことがあるんですよ。それは、大型事業は聖域化だという問題です。つまり、庶民に増税を押しつけながら、大型開発事業が復活し、むだ遣いを拡大しているじゃないかという問題であります。
例えば今大問題になっている問題を一つ挙げましょう。総額一兆円を超す巨大事業である関西空港二期工事に新たに三百億円の予算を今度の予算案で計上している、これは事実ですね。これは、埋め立てがほぼ終了して、滑走路や空港ビルの上物をつくる新たな段階に入るための予算であります。
関空というのは、今一本の滑走路でも年間十六万回の発着能力を持っている。ところが、実績は十万回ですよ。今一本でも余っているんです。需要の見通しもない。その上二本目の滑走路建設というのは、これはむだそのものだというのが世論の圧倒的多数の声だと私は思います。
そこで、総理に伺いたいんですが、私、総理の答弁の中で非常に印象的だったので読み上げてみたいんですが、これは二〇〇二年の七月十日の予算委員会の答弁ですが、こうおっしゃっておられます。「小泉内閣の方針は、増税ではなく歳出削減で無駄な税金の使い方を徹底的に直すということであります。」「増税よりも歳出削減が先だと、無駄な税金の使い道、これを徹底的にやるのが先だという方針で臨んでまいります。」こう公約されたわけですね。
しかし、関空二期は、どうしてこれが必要な事業ですか。これはむだそのものだというのは、離発着の回数一つとったってもう明瞭であります。私は、増税よりもむだ遣いを徹底的に直すことが先決というあなたのこの公約に照らすならば、新たなむだ遣いに乗り出しながら庶民に増税など到底許せる道理はないと思いますが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 後ほど北側大臣に答弁していただきますけれども、その公約どおりやっているんですよ、私は。公共事業、四年連続マイナスじゃないですか。関空のことを言っていますけれども、今回の公共事業費は前年度に比べて三・六%削減したんですよ。ふやしたのは社会保障関係費と科学技術振興分野の予算だけ、あとは前年度に比べてマイナスにしなさいと。しかし、必要な治安対策とか、そういう分野、警官を増員する場合は、増員しなければ、ほかの部分は減らしなさいと。その公約どおり進めているんですよ。そして、このまま負担を軽減して、国債を発行しようといったならば、国債増発だってこれは将来の増税ですから、できるだけ抑えていかなきゃならない。そういうめり張りをつけて予算をつくっているんです。
だから、今回、そのような御指摘も共産党としての御主張としてはわかりますけれども、全体として見ていただければ、これだけ厳しい財政状況の中、これだけ公共事業をやれやれという中で、四年連続マイナス予算を組んで、そのマイナスの中で必要な事業を組んでいるんですから、その辺もやはり理解していただかなきゃ。
○甘利委員長 北側国交大臣、簡潔に。簡潔に答弁してください。
○北側国務大臣 関西空港の需要見込みでございますが、二〇〇七年度の二本目の滑走路を必要とする時点では十三万回程度、また、二〇〇八年度には十三・五万回程度の総発着回数を想定しており、見込んでおるところでございます。
昨年も関西空港は、一昨年のSARSの影響から脱しまして、需要は国内線も国際線も伸びております。この見通しは達成できるというふうに考えておりまして、また、成田空港も、かつて平行滑走路を供用する時点では、年間十三・三万回で平行滑走路をつくったわけでございます。また、必要な費用につきましても大きく見直しをさせていただいて今回予算をつけたわけでございまして、そういう意味で決してむだではないということをぜひ御理解をお願いしたいと思うわけでございます。
○志位委員 まず、小泉首相の公共事業の問題についての御発言ですけれども、全体を減らしたとおっしゃいました。確かに三%ほど減らしているんでしょう。しかし、減らしたらむだな事業をやっていいというふうにはならないですよ。
それからもう一点、減らした減らしたと言うけれども、これを見てください。財政制度審議会に財務省が出した国際比較の数字ですよ。減らした減らしたと言うけれども、例えば、学校、病院、福祉施設、そういうものを除いた、いわゆる日本で公共事業と言われているものの水準は、アメリカ、ドイツ、フランスの三倍ですよ。イギリスの十倍ですよ。こういう水準にある。額でいえば十数兆円も多いということを認識すべきであります。
それから、北側さん、先ほど言われました。しかし、関空がむだだというのは、私は、北側大臣と谷垣大臣の十二月十八日のこの合意文書、ここにはっきりと自分で言っていると思います。なぜならば、ここには、関空は、二〇〇七年度には十三万回程度、二〇〇八年度には十三・五万回程度の「需要の確保のために、集客・利用促進・就航促進に向けた更なる努力を行う。」と書いてあるんです。努力を行うですよ。つまり、需要の予測じゃないんですよ。需要があるから空港をつくるというんだったらわかりますよ。しかし、この文書に書いてあるのは、そうじゃない。空港をつくったから需要をつくるというんですよ。お客を集め、航空機を集め、需要を集める。これは、これこそむだ遣いですよ。
私は、一方でこういうむだ遣いを押しつけながら、国民に巨額の負担増や増税を押しつける、これは絶対に認めるわけにいかない。今からでも、七兆円の負担増、さらにはそれに続く消費税の増税の計画はきっぱり見直して、中止すべきだということを最後に言って、質問にいたします。
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衆議院
平成十七年二月三日(木曜日)
午前九時開議
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○志位委員 私は、小泉内閣が今進めようとしている増税路線について質問をいたします。
昨年末、政府の予算案が発表されたときに、メディアは一斉に、本格増税路線に踏み出したと報じました。総理はこれまでも、痛みに耐えよと社会保障の切り捨てを進めてこられましたけれども、今度の政府予算案というのは、それに加えて税制でも本格的な庶民増税に踏み出すものになっていることが最大の特徴であると私は思います。
今度の予算案には定率減税の半減が盛り込まれました。二〇〇五年度と二〇〇六年度の二年間で定率減税の縮小、廃止を行って三・三兆円の増税を実施し、続けて、二〇〇七年度には消費税の増税を実施に移す、これは与党税制大綱に明記された二段階の増税シナリオですけれども、政府の予算案はこのシナリオに基づいて庶民増税の第一歩に踏み出すものとなっている、これは明瞭であります。
こうしたもとで、政府・与党の一部や経済界の中からも、これでは橋本失政の二の舞になるのではないかという声が起こってまいります。一九九七年に橋本内閣が、九兆円の負担増、消費税の値上げ、特別減税の打ち切り、そして医療費の値上げ、これを行ったことが大不況の引き金を引いた大失政となった、その二の舞になるのではないかという危惧の声であります。
そこで、私は、まず総理の事実認識をただしたいと思います。
これは、この十年間の家計所得の推移を政府の国民経済計算からグラフにしたものであります。大体九三年から九七年ぐらいまでの時期は、年間で数兆円の規模で家計の所得が伸びております。しかし、九兆円負担増をきっかけにして、その後をずっと見ますと、年間数兆円の規模で今度は家計の所得が減っております。これは明瞭な数字として出てまいります。
そこで総理に伺いたいんですが、こういう規模で家計の所得が減り続けているもとで増税路線に踏み出したということが戦後かつて一度でもあったでしょうか。これは戦後初めてのことじゃないでしょうか。事実認識の問題として伺いたいと思います。端的にお答えください。総理、どうぞ。
○小泉内閣総理大臣 経済指標等につきましては後ほど担当大臣から答弁いたさせますが、定率減税にしても、三兆三千億円の増税と言われましたけれども、これはやはり、現在の景気情勢を考えて、来年一月から千八百億円の増税なんですよ。三兆三千億円は、地方税とあわせて全部これをなくしちゃうとそうなる。
だから、景気に配慮しているんです。定率減税の面においても一月から、地方税においては六月からということでありまして、二分の一ですから、三兆三千億どうか、やるかというのはこれから、そういう状況になるかというのはことしの秋以降よく状況を見なければいけない。経済全体、財政全体を見ていかなきゃならない。だから、三兆三千億円今年度増税するんだという、そういう誤解はしないでください。
それと、雇用者所得も、確かに今、表にあるように、九七年は二百八十兆円、そして二百六十五兆円まで減っていると言いますけれども、九七年の物価上昇率はかなり高かったですよ。今、デフレですから、物価上昇率もマイナスです。
そういう点も考えて、確かに景気は厳しい状況でありますけれども、できるだけ景気に配慮しながら、財政状況の健全化というものを考えていかなきゃならない難しい局面に来ているということも御理解いただければと思うんです。
○志位委員 私は、来年度三・三兆円の増税を実施すると聞いたわけじゃないんですね。確かに、来年度は定率減税の半減で、きいてくるのは千八百五十億円の増税だというのは私も存じております。しかし、二年間で廃止するというのは与党の大方針でしょう。だから、じわじわ廃止するとしたとして、あるいは一気に廃止するとしても、三・三兆円の増税路線に踏み出したことは間違いがないんです。これが一点。
それから、もう一点ですが、このグラフについて、これは確かに名目の数字ですが、では、実質の数字はどうなんだということをおっしゃられたんだと思いますが、実質で見ても、実は九七年と二〇〇三年で七兆円減っております。名目でも実質でも雇用者報酬は減っている。
総理の答弁の中で、結局、私が聞いたのは、こうやって家計の所得がどんどん減っているときに増税路線に踏み出したというのは、これは戦後初めてのことだ、これは否定されなかったわけです。そこで、私、初めてのことをやるんですから、これが景気と経済にどういう影響を及ぼすかについて真剣な吟味が次に必要になってくると思います。この議論を次に進めたいと思うんです。
私は、日本経済を本格的な回復の軌道に乗せるには、経済の六割弱を占めるのは個人消費、家計消費ですから、この消費が力強く持続的な回復の軌道に乗って初めて景気の回復が本物になる、これは総理も同じ認識だと思います。今、首を振っておられますから、それは同じだと思います。問題は、その家計消費を持続的な回復の軌道に乗せるために今何が必要かという問題だと私は考えております。
その点で、私、内閣府が昨年十二月に発表した「日本経済二〇〇四 持続的成長の可能性とリスク」というレポート、これを大変興味深く読んだんですよ。なかなか情勢分析は正確なことが書いてあります。例えば、ここで繰り返し強調されているのは、今後消費が持続的に回復していくためには所得の回復がかぎである、これは繰り返し述べられています。
この中で述べられていることは、これまでは所得がふえないもとでも消費は底がたく推移してきた、これまではそういうふうに推移してきた、しかし、それは国民が貯蓄を減らして消費を維持してきたことによるものであって、これはなかなか長続きするものじゃない、今後消費を持続的に回復させていくためには、所得そのものを、所得の本体そのものをふやすということがどうしても必要だ、これがかぎだということを、この「日本経済二〇〇四」にはっきり書いてあるわけですが、私は、この診断は正確な診断だと思います。
しかし、総理がやろうとしていることは、その診断に対する処方せんは、増税路線に踏み出して、そして家計の所得を奪うというものでしょう。所得の回復がかぎだという診断、これは正しい診断ですよ。家計の消費のためには所得の回復がかぎだという正確な診断をしているんですけれども、出している処方せんは、所得を大幅に奪う増税路線への踏み出し。これは、私は、診断と処方せんを百八十度たがえている、風邪と診断しておいて布団をはぐようなものだ、こう思いますが、総理、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 これは、見方が全く違うんですよ。
というのは、確かに家計所得が景気に与える影響は大きいですよ。しかしながら、歳出の削減も、そして増税も、確かに景気に対してはマイナスの影響を与えます。かといって、じゃ、国債を増発すればどうかというと、これまた将来の増税です。今は、それじゃ、増税しないで国債を発行しよう、増発しようということになれば、今は楽かもしれない。今も国債費だけでも最も税金を使っているのに、これ以上国債を増発するということに対しては、極めて抑制的に考えなきゃならない状況であります。
だからこそ、国債の発行と、そして歳出の削減と税収動向、どう考えるか。これは極めて微妙な段階に来ているんです。だから、全体を見ないと。そういう中で、ようやく国債を増発して公共投資をふやさないでも民間主導の回復力を持ってきたなという、大事な局面にいるということも、全体の状況から見ていただきたいと思うんです。
○志位委員 民間主導の回復力、これはどこに根拠があるんでしょうか。
総理の本会議の答弁では、企業の利益が随分上がってきた、企業の利益が上がってきたから、これはだんだんと家計の所得にも回ってくるだろうと。ここに、回復力は、あなたは根拠を見ているんでしょうか。端的にお答えください。
○小泉内閣総理大臣 それは、現実の姿を見ても企業の業績は改善しています。不良債権処理も進んでおります。そして失業率も、一時の五・五%から、つい最近は四・四%台に減ってきました。雇用者数も増加しています。そして、有効求人倍率といいますが、企業が人を欲しいという、これは十一年ぶりに高い水準で〇・九台になりました。
こういう状況を見ても、これは民間は頑張っているなということが言えるんじゃないでしょうか。
○志位委員 要するに、企業が利益を上げているから家計の所得がふえる、そこに根拠を見出しておられるわけですね。その力があるから多少負担増があっても景気は大丈夫だろうというのが、総理の御答弁だったと思うんですよ。しかし、私は、この先ほどの「日本経済二〇〇四」を読みまして、そうじゃないという分析もしているんですね。
これは、こういう分析があるんです。企業の利益と給与の関係についての分析ですけれども、この報告書では、一九八〇年代までは企業の利益と給与とは高い相関関係を持っていた。つまり、企業がもうかればある程度家計に行った。しかし、九五年以降は、むしろ逆相関が強まっている。つまり、逆相関というのは、企業の利益が伸びても家計の所得は減る、そういう相関になっちゃっている、これが強まっているという分析を政府の内閣府のレポートは書いているんですね。
私は、このレポートを大変興味深く読みまして、政府の統計で実際グラフをつくってみました。こういうグラフになるんですね。
これは企業利益と家計所得の関係でありますけれども、青い棒は企業の方ですけれども、大体九七、八年から今日まで、ジグザグはありますけれども、二十一兆から三十六兆に十五兆ほど利益をふやしていますでしょう。逆に、赤い棒は家計ですけれども、同じ時期に二百八十兆から二百六十五兆に十五兆所得を減らしているんですよ。こういうのを逆相関というのですね、まさに。これはまさに、企業の利益というものが、賃金を減らして、家計から吸い上げて、リストラによる増益だということを物語っていると私は思います。
つまり、企業が利益を上げて、そのうち家計に及ぶから、景気は回復力を持っているんだ、多少負担かけたって大丈夫なんだとおっしゃいますけれども、成り立たないんですね。成り立たないことは、これはもう国民の皆さんの実感ですよ。企業がもうかったって懐ぐあいはよくならない、みんな実感ですよ。そして、このグラフでも明瞭ですよ、逆相関です。そして、逆相関だというのは、何よりも内閣府のレポート自身に逆相関と書いてある。しかも、強まっていると書いてある。
これからどんどん、行く先でも所得がふえていく見通しのないところに増税かけて、どうして景気がよくなるか。いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 今の表の逆相関でありますけれども、確かに企業の業績がこれだけ上がっているのに雇用者の所得が逆であるということは事実なんですが、今まで日本が、この景気停滞の理由で、余りにも雇用者を多く抱え過ぎていたのではないかということで、企業は随分苦労してきたわけです。これはリストラで被害を受ける面もあるんです、両方。過剰雇用をどう解消していくか。
あるいは、債務の面においても過剰ではないかという企業も多かった。金融機関においても、なかなか回収できない債権、これで足をとられてなかなか成長分野に資源が回らない。それを、労働生産性というのは日本は低い、この状況を脱皮しないと日本は新しい経済再生はない、景気回復はないと言われて、これからの経済再生は不良債権処理はまず不可欠だということで、政府としても進めてきた。企業も頑張ってきたんです。
リストラだって、ゴーンさんじゃないですけれども、かなり日本の経営者にできないような経営改革をやってきたということで評価されていますけれども、あの場合には、大きな企業だったから、リストラになった人たちがほかの中堅企業に回って、余り失業者を出さないで済んだ。
さらに、今ようやく、過剰労働の面においても、過剰債務の面においても、いわゆる企業にとっては足かせの部分が軽くなってきたんですね。これから、雇用者所得にもいい影響を与えるように、そういう状況になってもらいたいなということで、そういう環境を今政府としては、いろいろな制度の改善とか規制改革とか、あるいは税制改革とかしていかなきゃならない。
確かにこういう状況でありますが、余りそれは雇用者所得を上げると企業が海外に逃げちゃうんですよ。今まで何で海外に逃げていたかというと、日本の労働者の賃金が高過ぎて、ほかの発展途上国に行けば安い労働賃金で同じような製品がつくれるということで、どんどん逃げていった。これでは困る。今までも企業の空洞化を心配していたんです。
ところが、ここが日本のすぐれたところで、日本はやはり労働力の質が高いというのがわかってきた。一度、海外、安い賃金のところに企業が行っても、いいものは日本で、つくれないものがあるということで、最近戻ってきているんですよ。そういう点も、やはり新しい時代の変化に企業は巧みに耐え得るように改革してきているんです。そういう点が今雇用の改善にもあらわれてきている。
だんだんこれを雇用の改善から雇用所得の上昇に向けるように努力していかなきゃならないということは、私は十分理解しているつもりでございます。
○志位委員 雇用の改善、失業率が下がったということを言われますけれども、失業率が多少下がっても、正社員の数はどんどん減っていますよ。正社員を減らして、パート、アルバイト、派遣労働に置きかえている。ですから、賃金の総額は減っているんです。厚生労働省が出した最近の、昨年一年間の賃金の統計を見ても、〇・七%やはり賃金の総額は減っているんですよ。
私は、企業が利益が上がったら家計に回る、これが成り立たないじゃないか、これは逆相関だということをレポート自身認めているじゃないかということを言ったのに対して、総理は全然答弁していないですよ。ですから、所得が伸びる見通しもないのに負担増だけかけたら、橋本失政の二の舞になること、これは明瞭です。いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 午前中の御答弁で述べさせていただいたことでもあるのでございますけれども、志位委員の御指摘は基本的には、最近、付加価値の中で労働者の取り分が減っているではないか、資本の取り分がふえているけれども労働者の取り分では減っているではないか、そのことに尽きているのだと思います。しかし、もしそうであるならば、先ほど九三年か九四年からのグラフをお示しになられましたが、それ以前まで含めて、ぜひその分配の割合がどうなっているかということをごらんいただきたいと思います。
日本の労働の賃金の取り分というのは、大体三分の二で長い間ずっと一定してきました。それが、九〇年代これが上がって、四分の三ぐらいまで行きます。十年近くの間で十ポイントも労働分配率が上がった国というのは、世界じゅう、先進国ではないと思います。それだけ実は、日本の経済に大きなショックを受けたときに、九〇年代、労働者の取り分をできるだけ減らさないで、結果的に企業が利益を減らして疲弊したというプロセスがあった。しかし、このままでは国全体が沈むだろうということで、今、少しずつ構造改革をして不良債権も減らして、それで今、この正常化のプロセスにあると思っております。
労働分配率は、一時上がって、それが今半分ぐらいのところまで落としておりますけれども、その中で、先ほど総理の御答弁にもありましたようにようやく過剰感が消えてきて、その結果、今、これも先ほど志位委員がお示しになりました雇用者報酬でございますが、これは二〇〇三年までしか書いておりません、二年前の数字でございますが、これは、私たちの見通し、実績見込み等々では、十六年度からこれが上昇に向かう、そして十七年度もそれが上昇に向かうであろう。これは、名目でもプラスになるであろう、したがって実質はもっとプラスになるわけでございますが、そういう見通しの中で経済をさらにしっかりと運営していきたいというふうに思っているところでございます。
○志位委員 竹中大臣、虚偽の答弁をされたら困りますね。雇用者報酬が今年度から上昇に向かうという根拠をあなたは雇用者報酬の数字で恐らく言ったんだと思うんだけれども、これは去年の四―六月期にちょっとプラスになっただけの話でしょう。その後の七―九はマイナスなんですよ。それから、先ほど言った厚生労働省の二〇〇四年全体の数字もマイナスなんですよ。あなたは、これから所得が上がってくる上がってくる、上がってくるというのは、何の根拠もなく言っているんですよ。私、先ほど、あなた自身の所轄している内閣府のレポートを使って、企業の利益が上がったって所得は上がらないじゃないか、逆相関じゃないか、これを言ったのに対して、だれもまともな答えがない。
もう一つ言いましょう。日本銀行が、調査季報一月号、ことしの一月号で興味深い分析をやっております。この最初の論文で「雇用・所得情勢にみる日本経済の現状」、調査統計局がやっておりますけれども、これを見ますと、「企業収益に比べて雇用者所得の動きは弱く、労働分配率は大幅に低下している。」、低下し続けている、こういうふうに言っております。そして、これは企業の根強い人件費抑制姿勢に基づくものだと。つまりリストラですよ。あなたが主導してやっているリストラですよ。これに基づくものだと言って、これは構造的なもので今後も続くと。「企業の人件費抑制姿勢は当面根強く残る」、今後もリストラは続いて所得は減っていくという見通しを立てているんですよ。将来的に景気が回復して所得が回復する場合でも、いつそうなるのか、どういう規模でなるのかは不確実性があって、予測がつかないというのが日銀の判定なんです。
私、きょう、この議論をしておりまして、ちょうどこの場でやりました、一九九七年に橋本総理とやった九兆円負担増のときの議論を思い出すんですね。あのとき私は、あのときはまだ所得は伸びてはいたんです、しかしこの所得の伸びが弱いから、九兆円も負担をかけたら必ず景気に底が抜ける、こう言いました。しかし、橋本さんは、いやいや、所得の伸びはなかなか力強いから、負担増を吸収して大丈夫だ、こう言ったけれども、結果は大失政になりました。
きょうの議論も、私は、今の状況というのは企業から家計に回るような状況じゃない、家計の所得はどんどん減り続けている、そのときに増税路線に踏み出して大丈夫なのか、これを言ったのに対して、大丈夫だという根拠は何一つないじゃありませんか。私は、これでは大失政の繰り返しになるということを強く警告しなければなりません。
しかも、私、総理に次にもう一つ聞きたいことがあるんですね。
当面の負担増というのは、定率減税の縮減、廃止だけじゃありません。高齢者には年金課税の強化、若者にはフリーター課税の強化、中小業者には消費税の徴税の強化、あらゆる分野で庶民増税が計画されております。さらに、年金の保険料、介護保険の保険料、雇用保険料の値上げ、社会保障もあらゆる分野で負担増であります。これは、合計しますと、二年間で七兆円の国民負担が新たに加わってくることになります。
私、総理に認識として伺いたいのは、庶民の生活実態がどうなるかということについての認識であります。
例えば、政府・与党は、お年寄りの住民税の非課税措置を廃止するとしていますでしょう。三年間で廃止するというんだけれども、これによって、全国で百万人、東京だけで二十万人のお年寄りが、住民税が非課税から課税になります。これは、非課税から課税になりますと、税金だけじゃありませんよ、国民健康保険料、介護保険料、連動して値上げになるんですね。負担増が雪だるま式に膨らんでいくことになります。
これは私、試算してみたんですけれども、国保とか介護の保険料は自治体ごとに違いますから、東京・大田区の場合ですけれども、年金百八十万円のひとり暮らしのお年寄りの負担増がどうなるかです。現在は非課税ですから税がかかっておりませんが、保険料を二つ合わせて大体五万九千円。それが、増税後は税がかかってきます。税だけじゃないんですよ。税がかかると、連動して国保料も上がる、そして介護保険料も上がる。全部連動して雪だるま式に上がるんですね。そうしますと、今大体五万九千円の負担が、十二万四千八百円ぐらいの税と保険料の負担になる。倍以上になるんですよ。
こういう一つの負担増の問題をとってもこういう事態になるということを、総理は、影響は小さい、負担増は大したことないということをおっしゃるけれども、例えばこういう高齢者の負担増一つとっても雪だるま式に膨らんでいくということについて、十分承知の上で、十分認識した上で今方針を進めようとしているのかどうか。これは総理の認識を伺いたいと思います。総理、どうぞ。
○小泉内閣総理大臣 今、答弁する前に、竹中大臣に、あなた、誤りだと言ったでしょう。これに対して、ちょっとやはり答弁する機会を与えてあげないと、それは不公平じゃないですか。
○竹中国務大臣 私の答弁が虚偽だという御表現だったと思いますが、私、先ほど、労働の取り分、労働分配率の話等々、かなりわかりやすく御説明したつもりですが、御理解いただけていないようでございますので、もう一度申し上げますが、労働分配率はもっと長期で見てくださいということでございます。
ここ数年だけとって、それで企業の取り分が大きいと。それは、当然のことながら、それ以前に、ここにつながる動きがあるからでございます。先ほど言いましたように、日本の労働分配率はずっと高くなってきたんです。これを何とかやはり修正せざるを得ない、つらいけれども修正せざるを得ないというプロセスに入って、それが今ようやく半分かそこらぐらいまで進んできたという段階でございます。
今、そういう中で、雇用者の報酬がふえるかどうかでございますが、私たちは経済見通し、経済実績見込み等々で雇用者報酬をきちっと出しておりまして、その中で、これはまだ、労働分配率が上昇して、修正はまだ半分ぐらいしか来ていませんですから、まだこういう調整はやはり時間をかけていかなければいけない。その意味では、そんなに経済の回復は容易ではございません。しかし、容易ではないけれども、ようやくその兆しが出始めたというところで、この動きを大事にしていこう、この長期的な動きを見ていただきたいという点をぜひ御理解賜りたいと思います。
○志位委員 私が虚偽だと言ったのは、雇用者報酬がプラスと言ったことが、これは全く何の根拠もないということですよ。あなたが言ったのは四―六の数字で、その後マイナスになっているじゃないか、あたかも今どんどん伸びているような、そういうことを言うのはおやめなさいということを言ったんですよ。そのことについて何にも答えていない。そして、労働分配率はまだ下げどまりになっていないんだったら、もっと所得だって落ちるということになるじゃありませんか。語るに落ちる答弁ですよ。
総理、総理。もういいです。総理、総理が答えてください。私が聞いたのは、こういう実態についての認識があるかどうかの総理についての答弁を聞いたんです。総理、答えてください。総理、答えてください。だめです。もうこれで時間つぶしたらだめです。総理、答えてください。
○竹中国務大臣 雇用者報酬については、今志位委員は四半期でどうだということを申されましたが、私たちは経済見通し等々の中で十六年度の実績見込みというのを出しております。その中で、さらに経済見通しも出しております。ぜひとも、もしこれに反論がございますのでしたら、共産党としても政府見通しに匹敵するような経済見通しを出していただければよろしいのではないかと思います。
それと、負担増の話でございますけれども、これは、一方で、先ほど総理から御答弁がありましたように、この負担の話をある程度きちんとしていかないと、将来の負担がまた重くなるぞということで期待所得が下がるわけです。それが経済に極めて悪い影響を及ぼすわけでございます。負担をふやすのは、これはみんな大変つらいことでございますけれども、しっかりとそのことを負担していかないと、期待所得が下がって経済に悪い影響が出るということだと思います。
○志位委員 総理の答弁をお願いします。この問題に答えてください。
○小泉内閣総理大臣 それは、税の負担だけで言いますけれども、予算というのは歳出があるんですよ。この予算全体を見れば、今の、来年度の予算におきましても、日本は今まで大分国債を増発してきましたから国債費の利払い費が一番多いんですけれども、一番使っている予算は、地方に行く金を除いて政策費は社会保障ですよ。国民の税金の分や一般歳出の部分に、どの部分に一番使っているというと、年金も医療も介護も生活保護も含めて、一番、日本国民、政府は税金をその部分に使っているんです。だから、負担の部分だけ挙げて、福祉をやっていないという批判は当たらない。
○志位委員 私が聞いたのは、お年寄りの負担増が雪だるま式に膨れ上がっていく、これは非常に深刻な問題ですよ。それで、先ほどの十三万円もの負担というのは、これは一カ月分の年金に匹敵するようなものですよ。こういう問題について知っているのかと聞いたんです。私は、そういう問題について本当に真剣に誠実に答える姿勢がなくて、そういう冷酷な姿勢のまま国民に隅々まで負担増を押しつけるというようなことをやったら、これは絶対景気がよくなる道理がない、橋本失政の二の舞になると思います。
私は、総理が歳出のことも考えてくれというふうに言ったので、では聞きましょう。
来年度の予算案を報じたメディアがもう一つ強調したことがあるんですよ。それは、大型事業は聖域化だという問題です。つまり、庶民に増税を押しつけながら、大型開発事業が復活し、むだ遣いを拡大しているじゃないかという問題であります。
例えば今大問題になっている問題を一つ挙げましょう。総額一兆円を超す巨大事業である関西空港二期工事に新たに三百億円の予算を今度の予算案で計上している、これは事実ですね。これは、埋め立てがほぼ終了して、滑走路や空港ビルの上物をつくる新たな段階に入るための予算であります。
関空というのは、今一本の滑走路でも年間十六万回の発着能力を持っている。ところが、実績は十万回ですよ。今一本でも余っているんです。需要の見通しもない。その上二本目の滑走路建設というのは、これはむだそのものだというのが世論の圧倒的多数の声だと私は思います。
そこで、総理に伺いたいんですが、私、総理の答弁の中で非常に印象的だったので読み上げてみたいんですが、これは二〇〇二年の七月十日の予算委員会の答弁ですが、こうおっしゃっておられます。「小泉内閣の方針は、増税ではなく歳出削減で無駄な税金の使い方を徹底的に直すということであります。」「増税よりも歳出削減が先だと、無駄な税金の使い道、これを徹底的にやるのが先だという方針で臨んでまいります。」こう公約されたわけですね。
しかし、関空二期は、どうしてこれが必要な事業ですか。これはむだそのものだというのは、離発着の回数一つとったってもう明瞭であります。私は、増税よりもむだ遣いを徹底的に直すことが先決というあなたのこの公約に照らすならば、新たなむだ遣いに乗り出しながら庶民に増税など到底許せる道理はないと思いますが、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 後ほど北側大臣に答弁していただきますけれども、その公約どおりやっているんですよ、私は。公共事業、四年連続マイナスじゃないですか。関空のことを言っていますけれども、今回の公共事業費は前年度に比べて三・六%削減したんですよ。ふやしたのは社会保障関係費と科学技術振興分野の予算だけ、あとは前年度に比べてマイナスにしなさいと。しかし、必要な治安対策とか、そういう分野、警官を増員する場合は、増員しなければ、ほかの部分は減らしなさいと。その公約どおり進めているんですよ。そして、このまま負担を軽減して、国債を発行しようといったならば、国債増発だってこれは将来の増税ですから、できるだけ抑えていかなきゃならない。そういうめり張りをつけて予算をつくっているんです。
だから、今回、そのような御指摘も共産党としての御主張としてはわかりますけれども、全体として見ていただければ、これだけ厳しい財政状況の中、これだけ公共事業をやれやれという中で、四年連続マイナス予算を組んで、そのマイナスの中で必要な事業を組んでいるんですから、その辺もやはり理解していただかなきゃ。
○甘利委員長 北側国交大臣、簡潔に。簡潔に答弁してください。
○北側国務大臣 関西空港の需要見込みでございますが、二〇〇七年度の二本目の滑走路を必要とする時点では十三万回程度、また、二〇〇八年度には十三・五万回程度の総発着回数を想定しており、見込んでおるところでございます。
昨年も関西空港は、一昨年のSARSの影響から脱しまして、需要は国内線も国際線も伸びております。この見通しは達成できるというふうに考えておりまして、また、成田空港も、かつて平行滑走路を供用する時点では、年間十三・三万回で平行滑走路をつくったわけでございます。また、必要な費用につきましても大きく見直しをさせていただいて今回予算をつけたわけでございまして、そういう意味で決してむだではないということをぜひ御理解をお願いしたいと思うわけでございます。
○志位委員 まず、小泉首相の公共事業の問題についての御発言ですけれども、全体を減らしたとおっしゃいました。確かに三%ほど減らしているんでしょう。しかし、減らしたらむだな事業をやっていいというふうにはならないですよ。
それからもう一点、減らした減らしたと言うけれども、これを見てください。財政制度審議会に財務省が出した国際比較の数字ですよ。減らした減らしたと言うけれども、例えば、学校、病院、福祉施設、そういうものを除いた、いわゆる日本で公共事業と言われているものの水準は、アメリカ、ドイツ、フランスの三倍ですよ。イギリスの十倍ですよ。こういう水準にある。額でいえば十数兆円も多いということを認識すべきであります。
それから、北側さん、先ほど言われました。しかし、関空がむだだというのは、私は、北側大臣と谷垣大臣の十二月十八日のこの合意文書、ここにはっきりと自分で言っていると思います。なぜならば、ここには、関空は、二〇〇七年度には十三万回程度、二〇〇八年度には十三・五万回程度の「需要の確保のために、集客・利用促進・就航促進に向けた更なる努力を行う。」と書いてあるんです。努力を行うですよ。つまり、需要の予測じゃないんですよ。需要があるから空港をつくるというんだったらわかりますよ。しかし、この文書に書いてあるのは、そうじゃない。空港をつくったから需要をつくるというんですよ。お客を集め、航空機を集め、需要を集める。これは、これこそむだ遣いですよ。
私は、一方でこういうむだ遣いを押しつけながら、国民に巨額の負担増や増税を押しつける、これは絶対に認めるわけにいかない。今からでも、七兆円の負担増、さらにはそれに続く消費税の増税の計画はきっぱり見直して、中止すべきだということを最後に言って、質問にいたします。
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