●「名は体を表す」。 「名と実体の間に違いがない」場合が確かにある。 ところが、 これに対立する句がある。 ▽「同名異人」 ロシアの国名 ドイツ 自民党 ▼「羊頭狗肉」 「同名異人」はさておき「羊頭狗肉」のほうは、「名は体を表す」と違うどころか、この文句を頭からやっつけてかかっている。 名が表していることが実体と合わない。「名は体を表わさない」ということになる。 (ついでに「同床異夢」なども浮かんでくるが、これは言葉の場面が大分違う。他にも色々浮かび上がりそうだが立ち入るのはまたの機会にしよう。)
「智に働けば角が立つ」 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。 ちにはたらけばかどがたつ。じょうにさおさせばながされる。いじをとおせばきゅうくつだ。とかくにひとのよはすみにくい。 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。 人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越(こ)す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。 越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て(くつろげて)、束の間(つかのま)の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。 『草枕』の冒頭 夏目漱石 1906年発表というから、2016-1906=110年。一世紀以上前。 古い話だが、なにやらひとごとじゃない。ただごとでもない・・・。 しょっぱなのしょっぱな、「智に働けば角が立つ」が意味するものは?? そして、それに続く二つのフレーズ?? ・・・『猫』の余波?? 漱石は、はたしてなにを感じたのか・・・?? 「芸術論」の背後。 突如、らしくもないジャンルに迷い込む・・・